佐藤・小野・三宅ダンススクール公式ブログ

北海道札幌市の社交ダンス教室【佐藤・小野・三宅ダンススクール】のブログです!

荘司です。今回は『ウインナワルツ』のお話

 まだまだ暑い日が続きますね。
皆さん体調には気をつけて下さい
 
 先日、ドリーミー競技会のプロ・スタンダード部門の
「講評」なるものに、初めて挑戦させて頂きました。
 
「講評」というのは、
選手が踊っているのを見て、踊りがどう見えているのかと、
それに対してのアドバイスを文章にして選手会に提出し、
各選手にそれを読んで貰うというものです。
 
講評の内容に関しては、公表してはならない物なので控えますが、
 
改めて、真剣に競技ダンスを見せて頂いて、
「プロの選手達って凄いなぁ。」
と感心しました。
 
A級選手にとってはとても狭いフロアでも、全くスピードを緩めずに踊っていくし、
あの暑さにも負けず、
自分の全ての情熱を、その一瞬のダンスにぶつけている姿を見せてもらうと
やはり元気をもらえます。
 
「う~ん。ありがとう」って感じ。
 
 
さて、今回のメインは上記の事だったのですが、音楽の事もね。
 
今回は、ウインナーワルツについて。
 
言わずもがな、スタンダードダンスの原点ですね。
 
元々は「ヴェラー」というダンスでゲルマン文化で初めて男女が体を接して共に回るダンスでした。
そのため、最初は禁止されていたのですが、段々上品になっていきワルツになりました。
テンポはメトロノーム記号で174~180、小節数は58~60の 早い3拍子の曲ですが…
 
いかんせん、日本人にとっては
 「ただの三拍子」になりがち
な音楽です。
 
強弱についても、たいていのダンスの先生が
「アクセントは1に有る。」というのですが、
 
楽譜を見ると、そうでもなく、
 
1音目に
piano(「弱く。」元々は「優しく。」という意味)
という表示が付いている場合が結構あります。
 
楽譜を見て僕が
「ウインナーワルツって、なんかこんな特徴があるなあ・・・」と思うのが、
 
「スラー」という記号(幾つかの音をつなげて、ひと塊にする)が、2拍目から~3拍目まで、時によっては次の1拍目まで、つながってる事です。
 
なので、単純に
「ズンチャッチャッ、ズンチャッチャッ、ズンチャッチャッ・・・」
ではなく、
「㌧タララン、トン・タラ~、~ン・ララ~・・・」
みたいに取った方が良いと感じます。
 
そしてウインナワルツのさらに困ったチャンなのが、
音楽の演奏記号の中には、
 
「tempo di valse」
 というものが存在したりすることです。
 
これは
「ワルツの ルバート を持った テンポで」
という意味ですが、
 
「何?ルバートって?
また荘司先生、ワケわかんない事言ってる。」
って思いますよね。
 
ルバート(rubato)というのは、訳せば
「盗まれた時間」という意味です。
 
元々は、
音符の音価の一部を奪い、他の音符に付ける。
(全体のテンポは変化しない。)
だったのですが・・・
19世紀以降からは、リズム自体も自由に変えることを意味しています。
 
で、ウインナーワルツは19世紀初頭に出来た物なので
ルバートは
全体のテンポは変わらず音の長さを自由に扱う
ということになると思います。
 
それより大事なのは、
「叙情的な曲であるウインナワルツには
ベースとしてルバートが存在する。」
と言うことです。
 
外国の選手を見ていると、
確かにそれを感じて踊っているのです。
(きちんと判っててなのか、
ちっとも判っていないけど
民族的に文化的にそういうものなのか、は別にして)
 
日本の選手のほとんどは、
几帳面に「1・2・3、ズンチャッチャ・・・」と踊っているように感じます。
「tempo rubato」では無く
Tempo giusto(正確なリズムで)」踊っているんですね。
 
でも、中には 「オッ!!!」 と思わせるような選手も居ます。
北海道にも居ました^^そういう選手が^^
 
って言うのを、
今回、講評をするのに
一生懸命選手を見ていて、見つけました。
 
皆さんも、
今度、競技会で
そんな選手がいないか探してみて下さい。
 
競技会の見方も色々あって楽しいですよ。
 
ぁ、あと、最近出た ダンスCD
「Ballroom Stars4」(Casa Musica)
すごく良かったです。
 
「ダンス愛好家なら持っていないと損」
ってくらい^^
 
では、残暑、体に気をつけて良い日々を