佐藤・小野・三宅ダンススクール公式ブログ

北海道札幌市の社交ダンス教室【佐藤・小野・三宅ダンススクール】のブログです!

ちょっとオタク的なお話?ついて来れるかな?

荘司です。今年の夏は暑いですね~。思えば6月に突然夏が来て、ずっと続いているような気がします。体調は大丈夫ですか? 水分(suibun)と睡眠(suimin)を充分とって元気に過ごしてくださいね。
 
競技会は一段落な期間なので、たまには、まじめに?脱線もしながら?だんすについて考えてみたいと思います。反応が良いようなら僕のパターンとして続けていきますね。
 
 僕らの踊っているダンスは「社交ダンス」なので、スタンダードでは男性が女性を抱きよせたままリードして動き、ラテンアメリカンでは手を繋いだままリードして動かしたり。といった事をしていて、「楽しく踊る」事が目的なのですが…
 
そこに「人に見られる」という状況が加わることで、ガラッと違ったものになります。
 
社交ダンスを、ショーというものにした事で一番有名なのは「カッスル夫妻」ですが、彼らについてはフレッド・アステアが主演し、映画になっているのでそちらを御一見ください。(もちろん白黒。)
 
 さてさて…「人に見られる」という時に、自分が何をしたいか?競技ダンサーは「評価される」の一言に尽きるのかもしれません。(全てのダンサーが、そうなのかな?)
 
「自分の何を評価されるのか?何がよく見えるのか?どう見えるか」というのは「外見」によるところは大きいのですが…どうしても、性格や精神性がかなり影響してきますよね。
性分として、人から良く見られるという意識の強い人もいれば、自分がどうあるかが大事という人もいます。
 
 「良く見られる事を好む」というのは、作曲家だとモーツァルト的なとか、音楽の種類だとポップミュージック的なといった感じです。もちろん実験的な試みや目新しさも必要です。人を引き付けることを目的とし、どちらかといえば物的なものに喜びを感じるタイプですね。実験的で商業的という意味ではガーシュインもそうでしょうか?
 
 「自分がどうあるか」というタイプも、もちろん実験的ですが、陥りやすいのは「わかりにくい。」となったり、本道から外れてるように思われたり。でも見ているものが内向きなので、あまり気にしてなかったりします。
そういう人が成功するには…
 う~ん、音楽に例えると、リフとメロディーの関連性や計算された調などのきちんとした構成力やテクニックといった基礎的な要素が潜在していなければいけないのです。
中には絶大な評価を得たのもあって、ビゼーの「カルメン」、タンゴで有名なアストル・ピアソラ」。
ピアソラが、「タンゴはもう踊るな!」と言った話は有名ですね。(どちらも生きているうちは評価が低かったのですが…)
 
ダンサーでも「自己に内在したものを伝える。」っていうの…かえって大変かもしれません。
そういう意味では「ボレロ」の振付で有名なモーリス・ベジャールなんかは凄いなと思います。
 
脇道にそれましょう。
 
ボレロラヴェル自身は人気絶大な作曲家でしたが、自分に何かを課して作曲するのが好きなのか、ボレロは「単調なリズムと2つのメロディーの繰り返し」だけで作られていますね。他にも「スペインの時計」「古風なメヌエット」とか実験的だし、有名な「シェへラザード」も、使っている音階をわざと限っていたりしてるんじゃないかなぁ。と勝手に思っています。曲の形式は古典的ですが、本人は周囲の人を意識する傾向が強かったのかなぁ?
 
で、ベジャール振付のボレロを、初めて見た時の感想…「最初の方…わかんね。」
(後に、ディスカ・シフォニスという舞踊家が海から上がってくる様子にインスピレーションを得たと聞いて少しだけは理解できたつもりなのですが。)
でも最後の方の踊りは、やはり圧巻で引き込まれずには居られません。
彼は日本にも興味があって、忠臣蔵三島由紀夫を題材にした振付なんかもありますね。
 
 
本題に戻りましょう。
 
もちろん「本道にいるのが自分のやり方」という人もいる訳で、僕の好きなエルガーなんかは、「これぞ王道」と、時代より古いタイプの音楽を作っていながら、多大な評価を得ていたりもするのです。
 
どれが良いかは、結局のところ答えは出ません。
 
競技向けなのは「よく見られるのを好む」前者でしょう。劇的に上手になって行きますね。
ただ…評価が得られなければ、気持ちが折れてしまうケースもあるので「持続すること」も必要な部分ではあります。
その点、「どうあるか…」なタイプは多少評価が低くても自分のやりたい事に向きあえているうちは折れないので、こういうタイプのダンサーは表現手法を身に付けていくうちに良くなっていきます。逆に自分を出せなくなると、どんどんエネルギーがなくなりますね。
 
一番大事なのは「自分がエネルギーを出せるやり方」な訳で…
 
違うやり方の中に入ったままだと、行ったり来たりの袋小路にハマってしまうのです。
しかもダンスは二人なわけで、二人共同じ傾向だったりそうじゃなかったり、それがカップルの個性になるのですが…。
 
僕ですか?
当ててみてください